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大災害はいつ起きるかわからない!北九州DCとクラウドでディザスタリカバリサイトを迅速に構築
携帯電話などへのコンテンツビジネスのプラットフォームを提供する「アプリケーションソリューション」、自らコンテンツ配信を行う「コンテンツソリューション」、Webサイトの構築や運用を行う「Webソリューション」の3本柱で事業を展開するプライムワークス様。これらソリューションのインフラとして、2004年の創立当初からIDCフロンティアの首都圏にあるデータセンターをご利用いただいています。最近では携帯電話向けの待ち受けなどを提供する「きせかえ」事業や、電子書籍配信インフラなどの事業分野が好調。このようなコンテンツプロバイダーにとってインフラはビジネスの生命線、万が一の災害時にもダウンタイムは最小限にとどめることが必要です。そこで北九州のデータセンター「アジアン・フロンティア」、広域負荷分散やバックアップサイトへの切り替えを行う「マネージドGSLB*サービス」、クラウドサービスを利用したディザスタリカバリ(DR)サイト構築に踏み切られました。
* Global Server Load Balancing:広域サーバー負荷分散
この度はご採用いただきありがとうございます。まずは御社のビジネスについてお聞かせください。
当社のビジネスは大きく分けると3つあって、ひとつはBtoBtoCのサービスです。特に携帯電話向けのコンテンツプロバイダーさんが多いのですが、サービスを展開するプラットフォームをASPとしてご提供していて、これがかなりの部分を占めています。もうひとつは我々自身がコンテンツプロバイダーとして、BtoCのサービスも提供しています。「きせかえ」事業といっていますが、携帯電話の待ち受け画面やユーザーインタフェースを好みのデザインに変えるというものです。これは例えばテレビ番組の公式コンテンツなどにもなっていて評判もよく、けっこう大きな事業になっています。その他に、企業のウェブサイトの構築と運用も手がけています。特にヘルスケア関連には強みがありまして、医薬品業界企業の医薬関連のサイトですとか、大手美容外科のサイトなどを手がけています。これは、サイトを構築するだけでなく日々の更新などを行う運用まで手がけるというのが我々の特長です。それぞれ日々のアクセスはかなり大きく、信頼性が高く堅牢なインフラが必要とされています。
それぞれのサービスで、首都圏のデータセンターをお使いいただいているわけですね。今回はディザスタリカバリ対策をされたということですが、きっかけはやはり3月の東日本大震災でしょうか。
いままで、ハウジングのデータセンターを選ぶには、何かあった場合にすぐに駆けつけられる場所ということを重視していましたが、ディザスタリカバリの必要性については常々考えていました。もちろんやった方がいいと思っていましたし、社長もそれは同意見でした。ただ、保険のようなもので利益を生み出さない支出になりますので、なかなか本格的にスタートできなかったということがあります。また、バックアップはこれまでも取っていましたが、バックアップを戻してもうまく動かないといったこともよく経験していましたので、災害時にサイトを確実に復旧するにはどのような方法がいいのか考えていたというところだったのです。
携帯端末向けコンテンツ「きせかえ」
やはりディザスタリカバリに対する取り組みが本格的になった直接的なきっかけは3月11日に発生した東日本大震災です。あの震災で具体的に影響がでた訳ではありませんが、震災以降は当社のサービスをご利用いただいている企業様からも、ディザスタリカバリについてはどうなっているのかというご質問を受けることが多くなりました。特に必要とされているのは、サーバーが止まればビジネス自体がストップしてしまうことになるコンテンツプロバイダーのお客様です。それで本格的に着手し始めたのです。
DRサイトに必要な要件はどのようなものと考えていましたか。
まず、何かあった時に本当にサービスが継続できることが大前提ですよね。DRというとバックアップサイトを遠隔地に構築するというイメージが強いですが、アクティブ/スタンバイ型のバックアップサイトでは、いざという時に本当にきちんと動くかという不安がつきまといます。それに、社員が震災の影響で帰宅困難者になるかもしれないのに、バックアップサイトの立ち上げ作業をやっていられるような余裕があるのかと。担当者と連絡がとれないのでバックアップから起動できないというのでは意味がありません。そもそも、大災害で生きるか死ぬかという時に、コンテンツのことを考えていられるかどうか。ですから、我々が何か複雑な作業をする必要もなく、自動的にリカバーしてくれる仕組みでないとだめだろうということになったのです。それで色々と探したらGSLBというのがあるぞと。
執行役員 システム開発部長
中武 洋一氏
北九州のデータセンター「アジアン・フロンティア」と「マネージドGSLBサービス」をご採用いただいたわけですね。
一般的にGSLBとは異なるロケーション間のサーバー負荷分散を指しますが、IDCフロンティアでは複数のデータセンター間で負荷分散を行うアクティブ/アクティブと、メインサイトのダウン時にバックアップサイトに切替えるアクティブ/スタンバイのソリューションをご提供しています。
遠隔地のサイトをスタンバイとして用意するのではなく、日常的にアクティブ/アクティブで動かしていれば、本当に動くのかという心配はなくなります。そこで、首都圏のサーバーを北九州に半分移動して、平常時からロードバランスして運用し、首都圏側のサイトがダウンしたらアクセスを自動的に北九州に振り向けるように設計しました。これなら、仮に東京で大災害が発生し我々が業務を行えない状態になったとしても、自動的に北九州側でサービスを提供し続けられます。もちろん、全体としては片側1/2の縮退稼働になるわけですが、災害時にアクセスが急増するようなタイプのサービスではありませんし、必要となれば北九州側のリソースは拡張できます。
この方法の良いところは、万が一の際に本当に動くか心配しなくて良い点と、結果的に安くできるということです。つまり、もしバックアップサイトとしてDRサイトを構築するなら、稼働しているサイトと同じだけ、つまり2倍のサーバーを遠隔地にも用意する必要があります。さらに、それらは非常時に備えて通常は稼働していないわけですから、利益を生み出さない余剰資産ということになります。しかし、ロードバランスさせるのであれば動かさずに眠らせておくサーバーは不要ですし、追加もほとんど必要ありません。
システム構成図
首都圏で稼働していたサーバーを北九州に移動させるわけですね。どのようなスケジュールで進んでいますか。
DRサイトの構築を正式に決定したのが5月です。場所の選定や既存データセンターとの接続性を検証し、仕様の確定などが終わって10月頃からサーバーの移動を始めています。サーバーは専門の移送業者さんに運んでもらい、サーバーの設置作業はIDCフロンティアさんの北九州のエンジニアがやってくれますので、我々は行ったり来たりすることが一切なく作業が進んでいます。
IDCフロンティアの「監視・運用サービス」では、日々の運用監視だけでなくラッキングやケーブリングなどの作業も行います。それをご利用いただいているわけですね。
稼働開始後に災害が起きて北九州側のサーバーを増強する場合でも、手順書をあらかじめ決めておけば、こちらから指示しなくても対応してもらえます。それに加え、構築でも我々の負担が小さいという点がありがたいですね。
また、首都圏データセンターと北九州データセンター間は専用線で接続されているので、「データセンター間接続サービス」使ってサーバーのセットアップや大容量データのコピーを行なっています。物理的には離れていますが、向こうに出かけて作業をする必要はなく、LANでデータセンター間が繋がっているので大変便利ですね。マネージドGSLBを使って自動切り替えができるようになるのは12月の予定です。
現在は、クラウドサービスのWESTリージョンをご利用いただいていますね。
通常、ハウジングでのサイト構築には、どのような構成にするか技術的な検討をし、機器の調達をして構築してテストをしてと、数ヶ月単位の時間がかかります。それで、12月に北九州のDRサイトを稼働するというスケジュールで進めていたわけですが、構築が完了するまでの間はどうするのかという問題がでてきました。災害はいつ来るか分からないですからね。我々のお客様の中には、8月くらいまでにはディザスタリカバリ対策をして欲しいとお客様から要望されました。
とはいえ、それは物理的に無理な話です。データセンターで設置する場所や、サーバーなどの機器調達にも時間が必要です。そこで、いますぐに導入ができるのは何かと探し、クラウドなら物理サーバーを調達する必要がない
システム開発部 マネージャ
柳瀬 大輔氏
のでその分の時間が短縮できますし、簡単にイメージのバックアップが取得できるということなので、IDCFのクラウドを利用することにしました。首都圏のデータセンターで提供されているEASTリージョンではディザスタリカバリ対策としての意味がないので、北九州データセンターのWESTリージョンを選択しています。こちらはアクティブ/スタンバイ型のバックアップ方式なので、何かあったときに自動でリカバーというわけにはいきませんが、DRサイトが本格稼働するまでの間、最低限の対策はとっているということです。
クラウドを使うメリットはスピード感ということですね。どのような使い方になっているのでしょう。
まず、利益を生まないバックアップサイトですから、できるだけ費用はおさえたいと考えました。稼働しているサーバーと同量のリソースを用意するとかなり費用がかかってしまいますので、例えば10台で稼働しているシステムなら3台分というように、少なめにリソースを確保して、データのバックアップを保存しています。それでも、クラウドはスケールアウトが簡単というのが特長でもありますから、必要になればサーバー台数を迅速に増強できます。また、12月にGSLBのDRサイトが本稼働したらこちらは必要なくなりますので、すぐに解約できるのも大きなメリットです。必要な時だけ使って、不要になったら解約できるというのがクラウドの強みですからね。
バックアップ用サイトの構築で何か苦労はありましたか。
データの容量が数テラバイトと大きいので、ネットワーク越しのコピーにはかなり時間がかかりましたが、それでも取り組み初めて1カ月半くらいで構築できましたので、物理サーバーで用意するのに比べれば半分ほどの時間です。
我々のお客様の中にも、今すぐにサービスを開始したいとか短期間だけサービス提供したいというケースがありますので、今後もそのような場合にはクラウドの利用を検討しようと考えています。そういうお客様のニーズに応えるために我々が資産を持ってしまうのは、ビジネスリスクも大きくなりますので。
IDCフロンティアでDRサイトを構築した感想はいかがですか。
とにかく手間がかからないというのが一番のポイントです。構築についても物理的な作業はすべてIDCフロンティアさんにお任せしていますし、ネットワーク経由で東京にいながらにしてサーバーのセットアップもできます。万が一災害が発生した場合でも、我々が何も作業をしなくても自動的に遠隔地でサービスが継続し、必要とあれば手順書に従って拡張も行われる。それをお任せできたのが一番良かったと思います。
ディザスタリカバリは高額というイメージがあって、必要と思いつつも導入に踏み切れない企業が多いですが、そのような企業にアドバイスをお願いします。
重厚なDRサイトを構築しているのは例えば金融のシステムなどで、彼らの場合は完全に同じ量のリソースを別に用意し、常に同期をとってそれなりの人員も配置してということが必要ですね。それは業態としてそれが求められているからで、コストがかかったとしてもやらなければなりません。しかし、そうではない企業にとって、金融業界と同じような取り組みはできませんし必要でもありません。
一般のビジネスの場合は、我々がやったような遠隔地のデータセンターとのロードバランスというのは、コスト的にも人的リソースの上でも可能なことだと思います。ただし、上にテナントさんがいるような事業形態ですと、どこがその費用を負担するのかという難しい問題が出てきますので、自社の業務であるとかコンセンサスが取れた場合には、ということになりますけれど。といっても、コンテンツプロバイダーなどはデータセンターのサーバーが止まったらそこでビジネス自体が止まってしまうわけですし、コンテンツのデータが消失してしまったらそれこそ取り返しがつきません。そこはよく検討された方がいいでしょう。
最後に今後IDCフロンティアに期待することをお聞かせください。
営業担当のフットワークがよく、いろいろと柔軟に対応してくれるので、そこはこれからも変わらずお願いしますというところでしょうか。普通はデータセンターを開設する際には1〜2日は張り付いていろいろとチェックをするので、今回も、北九州に長期出張かと身構えたのですが、最初に現地を見学しただけで、まったく行く必要はありませんでした。稼働後も北九州側には我々のスタッフはひとりも置きません。災害時でも、北九州データセンターのスタッフだけで拡張などまで対応してもらえます。それが本当にDRに必要なことですし、今後もそのようなサービスを提供し続けていって欲しいと思っています。
会社名 |
プライムワークス株式会社 |
|---|---|
所在地 |
東京都千代田区神田須田町1丁目23-1 住友不動産神田ビル2号館10F |
設立 |
2004年4月19日 |
代表取締役社長 |
池田 昌史 |
資本金 |
942,835,822円 |
従業員数 |
170名(234名/連結) |
事業内容 |
1.アプリケーションソリューション 2.コンテンツソリューション 3.Webソリューション |
URL |