導入事例

株式会社スパイク・チュンソフト様

考え抜いた結果の選択!
仮想と物理サーバーのハイブリッドでスピードの向こう側がみえそうな勢いで処理能力が向上

ライバル番長との壮絶なタイマンや、喧嘩を通じて芽生える漢の友情など、正統派不良アクションゲームの「喧嘩番長」シリーズのオンライン事業展開に関して、開発・運営・提供を行っている株式会社スパイク・チュンソフト様。2010年4月にソーシャルアプリ向けとしてモバゲータウンで「喧嘩番長 全国制覇」提供を開始し、同年10月にはYahoo!モバゲーのサービス開始と同時に提供をスタート。モバイルとPCのデータ連動を実現し、市区町村ランキング、シンプルだけど奥深い駆引きを楽しめる喧嘩システムで、公開後半年で登録150万人を突破!名実ともにトップクラスのゲームタイトルに成長されています(2010年10月現在)。
この「喧嘩番長 全国制覇」のゲーム提供用インフラとして、2010年9月よりIDCフロンティアのパブリック型クラウドサービスのソーシャルアプリパックを利用いただいています。
<ゲームコンテンツの企画・開発・運営・販売>

シャバかったあの頃…会員増に比例してインフラへの不安が高まる日々

この度はご採用いただきありがとうございます。まずは御社のビジネスについてお聞かせください。

モバゲータウン、Yahoo!モバゲーで展開中の「喧嘩番長 全国制覇」
モバゲータウン、Yahoo!モバゲーで展開中の
「喧嘩番長 全国制覇」

当社はコンテンツの提供会社として、「ドラゴンクエストI~Vシリーズ〔発売元:株式会社エニックス(現:株式会社スクウェア・エニックス)〕」の開発を担当していた代表取締役の中村光一が1984年に独立して立ち上げた会社で、今年で創立27周年を迎えるゲーム業界では老舗の会社です。遡ると、家庭用ゲーム機であるファミコンやスーパーファミコン、プレイステーション用ゲームの企画・開発から販売に始まり、現在ではニンテンドーDSやWii(ウィー)、PSP「プレイステーション・ポータブル」など、時代の変遷にあわせた家庭用プラットフォームでのコンシューマー向けゲーム事業と、新たにモバイルやパソコンをプラットフォームとしたコンテンツ提供の2つの軸で事業を展開しています。

過去、ゲームの利用形態はパソコンやゲーム専用機だけで完結していましたが、家庭用ゲーム機で人気のあったタイトル「風来のシレン」をモバイルで提供し、それをきっかけに他のタイトルもモバイルでの本格展開をスタートしました。現在はモバイルのみならずパソコンやゲーム専用機も含めたマルチプラットフォーム化を推進しています。今回、お話しする「喧嘩番長 全国制覇」は、バトル系のソーシャルゲームで、日本全国の参加者全員が市区町村レベルでランキングされる評価の要素、また誰しもが学生時代に一度は経験したであろう「不良」というキーワードにおける共通体験、また、技の読み合いなどを組み合わせてゲームとして飽きのこない工夫を重ねたタイトルです。

以前はインフラにデータセンターを利用していらっしゃいました。なぜパブリック型クラウドを選ばれたのかお聞かせください。

「喧嘩番長 全国制覇」イメージ
「喧嘩番長 全国制覇」イメージ

いままでのインフラは、グループ会社内で利用しているデータセンターを使い、準備してもらったサーバーを使ってインフラを構築してゲームを提供していました。我々が最初にソーシャルゲーム市場に参入すると決定したとき、市場動向の調査などからソーシャルゲームはいままで経験したこともないような勢いで会員が増えていくことが分かりました。例えば「喧嘩番長 全国制覇」の事例でいうと、2,000万人を超えるモバゲー会員へのアプローチやソーシャルという人が人を呼ぶという2つの大きな要因に対しうまく対応させたことで、ゲームの会員数が急激に伸びました。
そのようなペースですから、会員増加に伴う負荷上昇にも耐えること、そして増加のペースに合わせてスピード感をもってインフラを調達できることが重要なポイントでした。サーバーを資産として購入し、データセンターに設置して運用するスキームだと正直厳しいだろうなと考えていました。

当初からグループ会社内でインフラについて色々相談はしていたのですが、数字の読みにくいサービスは、なかなか難しいという回答でした。そうなると、インフラも自分たちで探すしかありません。サービスインの戦略的スケジュールは決めていましたし、ゲーム開発の期間は無限ではありませんので、自ずとインフラの選定に割ける時間も短くなります。予備知識として、クラウドがリソースを必要なときに必要なだけ利用できるものであることは調べていましたので、インフラはクラウドで行くと決意しました。

ビッときたぜ!ついに理想のクラウドサービスに巡り合えた!

レンタルサーバーなどのサービスはご検討されなかったのでしょうか?

「喧嘩番長 全国制覇」 プロデューサー 本橋 大佐氏
「喧嘩番長 全国制覇」
プロデューサー 本橋 大佐氏

いいえ、検討はしませんでした。そもそもレンタルサーバーなどのホスティングサービスは、大量のトラフィックを捌く性質のサービスではないと考えていました。
クラウドにした理由は、クラウドの特長の一つであるサーバーのスケールアウト(台数を増やす)やスケールアップ(サーバー処理能力の増強)が、コンテンツ提供形の特性から考えても最適だったからです。つまり、会員の動向にあわせて規模を大きくすることも小さくすることもできるインフラである、ここが一番大きな判断のポイントでした。物理サーバーを1台増やすよりも、仮想マシンを1台増やすほうがコストも時間も圧倒的にメリットがありますし。

クラウドと決められてからも、サービスの選定は大変だったそうですね。

当時はソーシャルゲームのプラットフォーマーからのインフラに関する情報は乏しかったですし、ゲーム業界は横のつながりも強いですが、ソーシャルゲーム自体が新興のサービスでしたので、どこも情報不足は否めず、各社とも手探りの状態でした。
サービスを検討するにあたり、クラウドのベンダーは国内外を含めて数社以上から選定をしました。新興のサービスでしたので、自分たちで何が正しいのか正しくないのかを都度考え、できるだけ多くの材料を用いて比較検討をしていました。
やはりクラウドサービスでは、コスト面から海外の事業者が考えられますが、言葉の障壁は、現実的に実運用を行うスタッフにとっては弊害があり、それが原因でミスが生まれても困りますので、英語のサポートしかできないところは早々に候補から外しました。次に、国内にサーバーが設置されているかも重要なポイントでした。プラットフォーマー側の基準のひとつに、「原則として全てのサーバーが5秒以内にリクエストに応じること」というのがあります。サーバーが海外にあると日本からさまざまな機器を介し、応答速度が遅くなる可能性は格段に高まりますので、この基準に引っかかってしまう可能性が高くなります。よって、国内の事業者が提供していたとしても、海外にデータセンターが設置されているサービスは候補から外しました。
あとは、先に申し上げたスケールアウト・スケールアップにスピード感をもって対応できるか否かと、料金的な妥当性があるかどうかでした。ここまでの絞込みで残った候補も一長一短ではあったのですが、その中でも希望する条件に近いサービスに一度は決定して利用し始めたのです。

他社のクラウドからIDCFのクラウドに乗り換えられた理由をお聞かせください。

まず考え直すきっかけとなったのは、他社のクラウドでゲームの提供を始めたものの、障害が発生してしまった際、再発防止のために最も重要な原因の究明や必要な分析・解析が満足できるものではなかったことです。わずかばかりの障害は大目にみることはできますが、頻発すると現場のエンジニアにも負荷がかかってしまいますし、何よりユーザーに迷惑やストレスをかけてしまいます。日に数万から数千人単位で会員が増え、会員数は100万人を超えておりましたので、運用・保守の体制がしっかりしていて、我々が要求する仕様を満たしたクラウドサービスへ切り替えるのは当然の流れでした。
そのような状況の中、我々の不安を解消できる新たなサービスを再度探し始めていたのですが、IDCフロンティアから提案されたクラウドは、求めていた仕様や料金的な条件をバッチリ満たすものでした。プラットフォーマーの推奨インフラというのもありましたが、営業の方からサービスのご紹介をしていただいている途中で、心の中では「パねぇ!なコレ…バッチリじゃん!」と思っていましたね。当時標準のプランにはなかった仮想マシンと物理サーバーのハイブリッド構成というカスタマイズ要望に応えてもらったのも、IDCFのクラウドに決定したポイントです(注:仮想マシンと物理サーバーをLAN接続する構成は、現在では標準のサービスです)。
さらにデータセンター専業の事業者としては最大手である安心感と、運用保守も24時間の体制ですし、いままでのサービスでは不安だった運用体制を払拭できる提案であったのも大きかったですね。即座に非常に前向きな姿勢で話を進めていただきました。

仮想と物理のハイブリッド構成で用途に応じて適材適所…パねぇ!

現在ご利用の構成を教えてください。

「喧嘩番長 全国制覇」
メインプログラマー 中西 大作氏

先にモバゲー用のサービスがIDCFのクラウドに切り替わり、その後、Yahoo!モバゲー用のサービスが新たに加わったのですが、いままでの反省から、データベースは仮想マシンではなく物理サーバーにしたのが大きな構成変更でした。お盆を過ぎた頃には採用も決定しましたので、翌月には稼働していたサービスを仮想マシン+物理サーバーに移しました。相当な大手術だったかもしれませんね。
当初はWebサーバーが10台、データベースサーバーをマスターとスレーブの2台1セットで始めたのですが、会員急増による負荷上昇にあわせて、Webサーバーを20台、データベースも分割し、マスター・スレーブの3セット計6台まで増やしました。現在はデータベースもさらに拡張し、Webサーバーを20数台、キャッシュに1台、テスト環境に2台の合計30数台で運用しています。

構成変更の目玉だった、データベースに物理サーバーを割り当てる理由としては、まず、CPUやメモリ、ディスクI/Oなどハードウェアの性能をギリギリまで引き出せることです。Webサーバーとは異なり、データベースは後から構成を変えることがそう多くないので、自由度が高くなくても構わないのです。逆にWebサーバーは需要に応じて一気にスケールアウトさせる必要がありますから、それぞれの適材適所で割り振れる構成が実現可能なのは大きな魅力ですね。
エンジニアの見地から言えば、限られたリソースの中で、ゲームのプログラミングからインフラの構築まで全てに割くことはできませんから、レイヤーの下のほうは負担を少なくし、お客様に提供するものを生み出す「モノづくり」に集中できるのは大変助かります。

「喧嘩番長 全国制覇」のシステム構成概念

シブくキメるぜ!運用負荷は減少、ゲームの開発・運営に集中

インフラのご提供からサービスインまで何か困ったことはありましたか?

いや特になかったですね。とてもスムーズに進みました。ただ、強いて言えば検討・決定からハイブリッド構成を実現するまでの期間が非常に短かったので、そのスケジュールを調整するのが大変でした。提案をいただいてから弊社側で意思決定するまでのプロセスは非常に早く進めたのですが、IDCフロンティアさんがそのスピードについてきてもらえたのはとても助かりました。

IDCFのクラウドを導入後の効果はいかがでしたか?

IDCFのクラウドを導入後の効果はいかがでしたか?プロジェクトマネージャー 高橋 三千夫氏
IDCFのクラウドを導入後の効果はいかがでしたか?
プロジェクトマネージャー 高橋 三千夫氏

データベースを使うユーザーの統計処理時間が、ものすごく短縮されました。いままで定期的な処理を行ない、少し時間が必要だったので作り替える必要があるかなと考えていたのですが、現在の構成ではリアルタイムで処理できるほど向上しており、ゲームサービスにもまったく影響を与えません。これは嬉しいですね。
また、会員数が想定した規模を上回ることになっても、回線に対する不安は一切無くなりました。以前は1Gbpsの共有回線で帯域保証がなかったのですが、IDCFのクラウドでは帯域保証もありますし帯域値の変更も状況に応じてできるので安心ですね。
さらに別の観点ですが、安定したインフラを使っていることにより、障害時の切り分けのスピードが格段にあがりました。サポートに対するお客様からの問い合わせも減り、間接コストが下がったというのも良い効果です。

今後の展望をお聞かせください。

老舗ゲームメーカーである当社に求められているのは、"遊びのコアを提供すること"であると考えています。オンラインの場合は、それがネットワークを通じて"快適に"成立するものでなくてはなりません。「喧嘩番長 全国制覇」に限らず、異なるタイプのタイトルをどんどん提供していく予定ではありますが、ゲームのインフラは専門の事業者側にお任せし、インフラに悩む時間が少なくなった分を、高いクオリティのコンテンツを創作し、提供することに注いでいきたいと考えています。

クラウドサービスの利用を検討されている企業へのアドバイスをお願いします。

「クラウド」という流行りの言葉に踊らされないで、自身の基準をもって本物を見極めてみてください。私たちは、愚直なまでにそれを実践したことで結果と実績を残すことができました。また、システム上では、データベースだけは物理サーバーで構成するのがオススメです。

最後に今後IDCフロンティアに期待することをお聞かせください。

提供するサービスのビジネスモデルや技術面で、常に最先端であり続けて欲しいと思っています。Yahoo! JAPANグループとしての総合力も期待していますし、今後も良きビジネスのパートナーとしてお付き合いできればと。最後に一つ、いまでも料金は十分安いと思っていますが、もっと安くなったらいいなぁと(笑)。

導入企業様 会社概要

導入企業様 会社概要
会社名 株式会社スパイク・チュンソフト
所在地 東京都港区赤坂2-17-7 赤坂溜池タワー
設立 1984年4月9日
代表取締役社長 櫻井 光俊
資本金 4億8090万円
従業員数 193名
事業内容 ゲームコンテンツの企画・開発・販売・運営
URL http://www.spike-chunsoft.co.jp/新規ウィンドウを開きます

ファミコン、スーパーファミコン、ニンテンドーDS、Wii(ウィー)は任天堂株式会社の商標または登録商標です。

プレイステーション、PSP「プレイステーション・ポータブル」は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの商標です。

その他、記載されている会社名・サービス名は各社の商標または登録商標です。

掲載内容は、本事例の掲載2010年12月7日時点の情報です。

2010年12月07日掲載