株式会社CONNECTIT様
予測不能なスケーラビリティに立ち向かえ! LINE公式アプリ「ぽすくま」成功の裏側
レスポンスとクオリティへ挑戦し、大成功をおさめた日本郵便の年賀状促進キャンペーン LINE公式アプリ「ぽすくま」のインフラ構成を公開!

コネクティットは、“スマホで年賀状”の仕掛け人として知られるコンテンツ制作会社。デジタルの枠にとどまらず、Webとリアルを結びつけたコンテンツやサービスを企画し運用まで手がけています。
「挑戦には悩みや課題はつきものですが、必ず解決策がある」、そう語るのは同社代表取締役の飯野法志氏。
今回は飯野氏とCTOの矢吹氏に、日本郵便のLINE公式アカウント「ぽすくま 森の年賀状屋さん(以下、ぽすくま)」から年賀はがき20万枚の申し込みにつなげた成功の裏側とともに、IDCフロンティアと協力して構築したバックエンドのお話を伺いました。
快適なユーザー体験を目指し、プロダクトとバックエンド両面から環境を整えた
—2014年に御社が手がけた日本郵便の年賀状促進キャンペーン「ぽすくま」は、具体的にどのようなサービスだったのですか?

飯野氏: 新年の挨拶をメールやSNSで済ませてしまい、年々年賀状を送る人が減っています。若い方の中には、年賀状を受け取った経験がない方もいるのではないでしょうか。
そこで、若年層のユーザーが多いLINEを使って、年賀状を送る楽しさ、受け取るうれしさを感じてもらおうと考えたのが「ぽすくま」でした。
矢吹氏: 仕組みは至って簡単です。LINEアプリでぽすくまに画像や動画を送信すると、ぽすくまが5秒で年賀状に加工して返信してくれます。この画像を友人に送信してもいいですし、そのまま紙の年賀状としてLINEアプリから簡単に注文できるようにしました。
結果、最大600万人のユーザーが年賀状を作成してくれました。内、20万枚が紙の年賀状として注文されたそうです。
—600万人は多いですね。データベースサーバーはパンクしなかったのですか?
矢吹氏: テレビで取り上げられた際などは、一時的にアクセスが伸び逼迫することもありましたが、幸いなことにパンクは回避できました。当初の想定で400万ユーザー、リアルタイムでは最大4万ユーザー/秒のアクセスに耐えられるようシステムの構築を進めました。
WebサーバーとしてIDCFクラウドを220台用意。一台あたり200アクセス/秒を処理する計算です。
データベースサーバーはベアメタルサーバーとし、高速処理で定評のあったPerconaサーバーを採用。ドライブはHDDの240倍の処理速度を持つioMemoryを選択するなど、想定できる限りの対策を施していったんです。結果は予想を超えるアクセス数となりました。

飯野氏: LINEの仕様はもちろん、お客さまが使うモバイル端末、送信される画像や動画容量も可能な限り想定し、画像処理にかかる時間を徹底的に短くしました。
一枚の年賀状が作成されるまで10秒かかったら「もう一度やってみよう」とは思いませんよね。3~5秒まで縮められるように処理時間が大きい加工パターンを排除しながらも、50種類以上の加工パターンを用意するなど、プロダクト部分も作り込んでいったことも功を奏したように思います。
レスポンスとクオリティへの挑戦。3つの「ない」に対して、青天井とも言える懐深いシステムを構築
—システムを作る上で苦労したことはありましたか?

飯野氏: ぽすくまは、レスポンスとクオリティへの挑戦でした。お客さまの要望に対して素早く返答する、加工された画像も印刷にも耐えうる綺麗な画質である。この目標に対して、「ない」ことが多いことが悩みでした。
まず、どのぐらいのお客さまが利用してくれるのか、想定でき「ない」。LINEさまへアクセス数について質問しましたが、まったく新規のキャンペーンで想定が難しいと回答いただきました。
矢吹氏: そして、時間が「ない」。2014年の年賀状キャンペーン開始は10月28日。企画が固まったのが夏の終わりだったので、迅速に構築、検証を行わなければなりませんでした。
最後に人手が足り「ない」。僕を含めて三名でサーバーの構築、検証を行っていましたが、手が足りなくて外注することも難しい状態。そこで相談したのがこれまで年賀状企画で力を借りていたIDCフロンティアさんでした。
飯野氏: 弊社の状況を把握し、毎週三名のエンジニアを交えて負荷検証と改善策を練っていきました。実質、企画が固まってシステム構築を始めて実現までの時間は一ヶ月半。非常にタイトなスケジュールでしたが、IDCフロンティアさんと協力してやりぬきました。通常であれば、検証も含めれば最短でも4ヶ月、一般的には5〜6ヶ月かかる案件ですね。
矢吹氏: LINEも含めて、Webが秘める可能性は年々広がっています。しかし、お客さまに快適な環境を用意できず、一歩踏み出せないマーケティング担当、エンジニアも存在すると思います。想定できないからとシステムを青天井に構築することはできません。
その悩みに対して、IDCフロンティアさんはトライアル&エラーに付き合ってくれ、青天井とも言える懐の深いシステムの構築を手伝ってくれました。
挑戦には悩みや課題はつきもの。しかし、必ず解決策はある!
—「ぽすくま」を経て、今後のWebコンテンツ、サービスを考えていく上で大事だと感じたのはどのようなことでしょうか。
飯野氏: システム、インフラを増強しましたが、マーケティングでも工夫しました。ぽすくまは“駆け出しのデザイナー”というキャラクター設定にして、システムが逼迫したときも「注文がいっぱいで…つくれないのです」と返す。システムを作り込んでも限界はある。そこをマーケティングで補っていく、結果的にお客さまの満足に繋げられました。
プロダクトやシステムを作り上げていくとともに、マーケティングで限界点を高めていく。これからのWebコンテンツ、サービスを考えていく上では重要な要素だと考えています。
矢吹氏: 想定を超えるアクセスがあったにも関わらずサーバーがダウンしなかった決め手は、ioMemoryを採用したことでした。実はioMemoryを勧めてくれたのは、IDCフロンティアさん。Webには多くの可能性が秘められていますが、コンシューマーを巻き込むにはお客さまの期待を裏切ってはいけない。
「ぽすくま」が成功した陰には、挑戦を支えてくれたシステムがあり、そして挑戦を一緒に実現へ結びつけてくれたIDCフロンティアさんがあったからだと思います。結果として、青天井のインフラを作ることができた。挑戦には、悩みや課題はつきものですが、必ず解決策があることを「ぽすくま」に教えて貰ったと思っています。
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導入企業様 会社概要
導入企業様 会社概要 | |
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会社名 | 株式会社 CONNECTIT |
設立 | 2014年7月31日 |
代表取締役 | 飯野 法志 |
事業内容 | インタラクティブ・クリエイティブ業務、システム開発業務、CRM業務 |
URL | http://connectit.co.jp/ |
※掲載内容は、本事例の掲載日2015年7月15日時点の情報です。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
2015年07月15日掲載