導入事例

トライベック・ストラテジー株式会社様

広域拠点間のBCPを安価に実現(GSLB)
このDR構成は幅広くお客様に提案できる!
—“今までできなかったことがIDCFクラウドでできた“3つの事例 —

大手上場企業を中心に、成果創出のコンサルティングとサイト構築、システム開発、運用をワンストップで提供するトライベック・ストラテジー様。サイトのオウンドメディア化やBCPへの取り組みなど、さまざまな提案で企業をサポートしています。
顧客企業の多様なニーズに応えるためのインフラとして、IDCフロンティア クラウドサービス(以下、IDCFクラウド)をご利用いただいています。

右:常務取締役 白須 剛氏 左:IT事業部 中島 秀明氏

本事例のポイント 【クラウド マネージドタイプ事例】 GSLB利用による企業WebサイトのBCP対応、他

1. P2V(Physical to Virtual)案件
2. 短期間での構築
3. IDCフロンティアの持つ東西ロケーションを活かし、GSLB*でBCPを実現
4. プライベートコネクトで東西拠点間を閉域網で接続
5. キャンペーンサイトの大量トラフィックにもスムーズに対応

*GSLB(Global Server Load Balancing:広域サーバー負荷分散)・・・クライアントからのアクセスを地理的に離れた場所に設置したウェブサーバーに振り分け、処理を分散する仕組み。万一メインサイトに影響があった場合、負荷分散やバックアップサイトへの切り替えを自動的に行い、ダウンタイムを最小限に抑えることができる。

既存環境のバージョンアップか、クラウドで新規構築

この度はご採用いただきありがとうございます。まずは御社のビジネスについてお聞かせください。

事業内容は、主に法人のWebサイトコンサルティングや構築です。企業情報サイトを中心にオウンドメディア領域に属する短期のキャンペーンサイトから、継続的に利用するような、PR用のブランディングサイト、商品紹介や販促系のサイトまで幅広く手掛けています。

当社の強みは、企業サイトのオウンドメディア化を支援するコンサルティングと、それを具現化するサイト構築ノウハウ、システム開発からインフラソリューション、運用に至るまでワンストップでお客様に提供できるところにあります。徹底したユーザー視点で考え抜くことによって、お客様の成果創出につながるソリューションを提供しています。特に、ユーザーにおけるサイトの使いやすさや分かりやすさを可視化する「ユーザビリティ診断」を有し、毎年企業サイトランキングとして公開しています。今では、さまざまな大手企業が「自社のサイト価値を可視化する」ための効果指標として採用しており、ランキングにおいて業界スタンダードとなっていると自負しています。

IDCFクラウドをご採用いただいた背景を教えてください。

今回の事例は、企業情報Webサイトを別のデータセンターから移設するという案件でした。古いOSのサポートが終了することとなり、お客様は同じ環境でバージョンアップするか、それとも他の環境で新規構築するかを検討していました。弊社からの提案は、クラウド化するとともに、BCPを考慮したサイトの再構築でした。

IDCFクラウドは以前から利用していたため、性能については申し分なく、また、クラウド化により運用負荷とコストが下がることも理解していました。今回、お客様のご要望が、単純なバックアップからBCPを考慮したDRサイトを志向されるようになり、営業担当から紹介してもらったGSLB(広域サーバー負荷分散)サービスを利用することになりました。広域でのDRサイトが容易かつ安価に組めるということもあり、最終的にはIDCFクラウドとGSLBを組み合わせた提案がお客様にスムーズに受け入れられ、採用に至りました。

選定のポイントはどのあたりでしたか。

常務取締役 白須 剛氏
常務取締役 白須 剛氏

企業の顔となるWebサイトですから安定性や信頼性は必須ですし、セキュリティにも気を遣わなければいけない。これまで物理サーバーでできていたことと同様の機能を実現できるのは大前提で、IDCFクラウドはしっかりした設備で運用されていて安心してお客様に勧められます。

また、適切な価格を提示いただきました。これにより複数拠点によるDR構成が、単一拠点・物理サーバーのみの構成とほぼ同程度のコストで実現できます。
Webサイトの移設というのは手間も時間もかかりなかなか大変なのですが、IDCFクラウドでは構築期間が大幅に圧縮できる、というのもポイントになりました。 “移行サービス”というものがあって、P2V*でイメージファイルを作って仮想マシンに簡単に移行できます。弊社の開発環境で構築したものをそのままIDCFクラウドにコピーするだけなので短時間ですみます。

また、クラウド内では、同じサーバーを増やす作業もポータル画面から“仮想マシン複製サービス”を使ってコピーしていけばいいだけですし、DR構成にするための遠隔地にも、同様にコピーすればいいだけです。
それと、GSLBが安価だということも重要な決め手ですね。
* P2V(Physical to Virtual)・・・物理サーバー上に構築された環境(OSやアプリケーションなど)を、仮想マシンへ移行すること。

一番重要なこと “適切なサイズを適切なコストで”

導入時の苦労などはありましたか。

実は、途中でお客様から要求が出てきてシステム構築のハードルが上がってしまいました。というのも、BCPのために広域でロードバランスするのはいいが、東日本と西日本のリージョン間コピーはインターネットを使わずにセキュアな回線でやって欲しいという話がトップダウンで下りてきたのです。しかし、新たに専用線を引くだけの余裕はありませんでした。

そこでIDCフロンティアの担当者に相談したところ、リージョン間バックアップサービスが使えると提案していただきました。IDCフロンティアのバックボーンで拠点間を閉域網でつなぐ“プライベートコネクトサービス”を使ってバックアップを行うことで、インターネットを使わずに済みます。

さらにその環境を活かして、アクティブ側で日次バックアップ&スタンバイ側で日次リストアを行うようにしてセキュアな日次同期環境を構築しました。リージョン間バックアップのサービスは提供していてもリストアが自分たちでできないクラウドサービスもある中、IDCFクラウドは自分たちのタイミングでリストアできてとても助かりました。

構成イメージ図】 インターネット回線以外にプライベートコネクトを使ってバックアップ・リストアを行い、ダウンタイムを最小限に抑えている

厳密にいえば、リアルタイム同期ではなく1日ごとに同期をとっているわけですから、完全なDRではありません。しかし、業種やサイトの内容によって、必要な同期の頻度は異なるでしょう。今回のお客様にとっては、必要最低限の同期がとれて、さらに、コストを低く抑えられることに価値がありました。これまでできなかったBCP構成が従来とほぼ同等のコストで実現できたということで、大変喜んでいただきました。

それ以外に何か困った点などはありましたか。

バックアップ側のウェブサーバーが反応を返さないというトラブルがありました。後日、クラウドサービスのメンテナンス時にパフォーマンスが落ちていたせいだと分かったのですが、この事象を受けて、IDCフロンティアには迅速な体制作りを進めていただいています。

逆に、クラウドにして良かった点はありますか。

これまではハードウェア障害にびくびくしていました。そこを事業者側に任せることができたという安心感はあります。また、以前に使っていたデータセンターは、物理サーバーをラック単位で借りるので、コストが途中で大きく増加することがあります。当初ハーフラックで借りていても、サーバー増強に伴いスペースや電気が足りなくなると、サーバーだけでなくラックも追加せざるを得ず、費用が一気に増えることになります。お客様としては年間で予算をとっているのにランニングコストが途中で上がってしまいますので、インフラをサービスとして使いたいというのは基本的なニーズです。

もうひとつは、途中でスペックを変更できるところも大きなメリットです。ニュースで取り上げられると一気にアクセスが増えるといったこともありますから、真の意味でのスモールスタートが可能なクラウドには将来的な安心感があります。物理サーバーの場合は性能の追加となるとコストも時間もかかりますが、IDCFクラウドならちょっと予算を積んですぐにCPUを追加するといったこともできます。

さまざまな要求に現場目線で応えてくれる柔軟性

今回の事例以外にも、いくつかIDCFクラウドをご利用いただいています。

IT事業部 中島 秀明氏
IT事業部 中島 秀明氏

運用を開始してからロケーションを移したという事例があります。ある企業でDR構成を見直すにあたり、急遽、ウェブサーバーをIDCフロンティアのEASTリージョンからWESTリージョンに移す必要がありました。
サービスイン後だったので、サーバーを動かしたままのホットクローニングでしたが、移設は2、3時間で完了しました。IDCフロンティアの技術担当者は、「本来はホットクローニングはお勧めしないんですが。。。」と言いながらも、対応してくれました。稼働したまま移設すると、何かあった時にアプリケーションの問題かインフラの問題か見極めにくいので、本来は止めてから移設した方がいいのは分かっています。

しかし我々としては、サイトの内容をよく分かっていて、これなら大丈夫という判断でホットクローニングを計画したので、そこを理解してくれて助かりました。データセンターによっては、こちらがいくら大丈夫だからと言っても「責任を取れないのでできません」と杓子定規な対応でつっぱねられることがあります。こちらも素人ではないので、それでうまくいかなかったとしても責任を求めることは決してないのですが、やってくれないことには手の出しようもない。それで困ることがよくあるのです。

また、大規模なキャンペーンサイトの事例もあります。数万人の会員に対してキャンペーン開始のメールマガジンを配信すると、その後1時間ほどで10万人くらいが一斉にアクセスするといったサイト構築です。この場合は、アクセス集中が心配なのでデータベースは物理サーバーを使い、フロントエンドのウェブサーバーはIDCFクラウドと、ハイブリッド構成にしました。間に入っている広告代理店からは、「前回、他社で同様のキャンペーンをやった時にはアクセス集中によるトラブルがいろいろあったが、今回は大変安定していた」と感謝の言葉をもらいました。
ナショナルブランドのキャンペーンに比べたら、10万人/時間という数字は大したことのないアクセス数かもしれません。しかし、2台の物理サーバーと数台のIDCFクラウドで安定したキャンペーンを低コストで提供できることも、我々の強みとなっています。

もっと知られてもいい、安価にBCPを実現できるGSLB

さまざまな事例でIDCFをご選択いただいたのは、どのような点が評価されたのでしょうか。

センターの移設の際、弊社では、アプリケーション開発もやっておりますので、他社アプリケーションの場合は既存ベンダーとのタスク調整、スケジュール管理などの相談にものります。移設作業まで含めて全部請け負えますし、その際にオウンドメディア化のご要望があれば、コンテンツ側のコンサルティングも提供できます。そこが弊社の強みで、IDCフロンティアのインフラとの組み合わせで、さらにその強みを活かすことができると考えています。

例えば、データセンターを移設する際に、静的なコンテンツを置いてあるだけのサイトであれば、単にコピーすれば済みます。しかし、もう少しいろいろなことをやっている場合は、どういう手順で移すか、変更期間中の運用をどうするのかといったことが問題になります。どこのセンターでコンテンツを更新するか、どう同期をとって、どういう段取りで切り替えるかを考えなければいけない。アプリケーションを動かしていれば、移設した先できちんと動くかの確認も必要です。IDCフロンティアは我々の事業を理解し、営業、技術、サポートと、一緒になってこれらの問題に対応できるという点を評価しています。

今後、IDCフロンティアに期待することをお聞かせください。

バックアップのストレージを好きなタイミングで制御できたり、バックアップが終わったらトリガーを上げるといった機能があると便利でしょう。今は同一リージョン内にバックアップしたものを、別リージョンのバックアップサーバーにコピーする方式ですが、いきなり別リージョンでバックアップできるサービスが安くできると、提案する先は広がります。

5年前に比べ、一般の企業WebサイトでもBCPに対する要望は高くなっています。しかし、費用はあまりかけられない。従来とそれほど変わらないコストで対応できるなら、やりたいと思う企業は多いと思います。IDCフロンティアのGSLBがこんなに安価に導入できることを知らない方も多いと思うので、我々としてももっと推していきたいと思っています。

IDCFクラウドを利用した複数拠点のDR構成は、確実に我々の武器の一つになりました。

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導入企業様 会社概要

導入企業様 会社概要
会社名 トライベック・ストラテジー株式会社
設立 2001年9月4日
代表取締役社長 殿木 和彦
事業内容 Webコンサルテーション、インテグレーション事業
URL http://www.tribeck.jp/新規ウィンドウを開きます

掲載内容は、本事例の掲載日2013年10月16日時点の情報です。

記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。

2013年10月16日掲載