2,000万ドメイン突破!無料独自SSL「Let’s Encrypt」対応レンタルサーバー

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本サイトでも度々登場する、無料で使える独自SSLサーバー証明書「Let’s Encrypt(レッツエンクリプト)」。

2016年4月12日 に正式リリースされてから、2017年6月現在でその証明書発行数は2,000万ドメインを超え、今も更なる広がりを見せています。

常時SSL化の強い味方でもある、Let’s Encryptの魅力と、Let’s Encryptが無料で使えるレンタルサーバーをご紹介します。

「Let’s Encrypt(レッツエンクリプト)」って?

「Let’s Encrypt(レッツエンクリプト)」はもともと、アメリカにある非営利団体がHTTPS(=安全なWebサイトの通信)を広く普及させることを目的に始めたプロジェクトの名前です。

「SSLサーバー証明書」の発行・インストール・更新を自動化し、独自ドメインに対応したSSLサーバー証明書「独自SSL」を個人・法人問わず無料で提供しています。

もとはプロジェクトの名称でしたが、このごろは発行された証明書自体を「Let’s Encrypt(レッツエンクリプト)」と呼ぶケースが多いようです。

「共有SSL」と「独自SSL」の違いをおさらい

そもそも、「SSL証明書」には二つの役割があります。

ひとつはブラウザとWebサーバーの間の通信を暗号化し、通信データを第三者から盗聴されにくくすること。
もうひとつはWebサイト運営者の実在性を証明することです。

まず、共有SSLは、サーバー会社などが所有するSSL証明書をレンタルし、データ通信を暗号化します。

無料で利用できますが、サーバー会社が用意した共用のドメイン名(URL)でしか利用できません。

証明書の内容もサーバー会社のものですから、Webサイトの信頼性を高める効果はほぼありません。

一方、「独自SSL」は、必ず独自のドメイン名(URL)に対してSSL(暗号化)を実施します。

いくつかの認証レベルがあり、Webサイトの運営者が実在するか実際に調査しなければ使えない厳格なものまであります。

共有SSLに比べて信頼性が高い分、年間数千円~数百万円の費用がかかるのが普通でした。

この独自SSLが無料で使えるようになったのがLet’s Encryptです。

Let’s Encryptは、独自ドメインの所有者であれば誰でも利用することができる、独自SSLの中では比較的手軽な証明書です。

もちろん、ドメイン名(URL)を替えることなくSSL(暗号化)ができます。

別々のドメイン名で複数のWebサイトを運営したり、個人のWebサイトを常時SSL化する場合は、無料で使えるLet’s Encryptはとても助かる証明書です。

しかし、一部のブラウザに対応していないことや、運営者の実在性を証明する機能がないという点から、ネットショップや法人が運営するWebサイトの証明書としては、少し信頼性に欠ける部分があります。

Webサイトの用途、目的に合った証明書選びをするようにしましょう。

過去記事:常時SSLにはどれを使う?今さら聞けないSSL証明書の種類と違い

「Let’s Encrypt」が無料で使えるレンタルサーバー

最後にLet’s Encryptや、その他無料の独自SSLが、無料の機能として簡単に設定・利用できるレンタルサーバーをご紹介します。(2017年7月現在)

レンタルサーバー 初期費用※1 月額料金※1 無料独自SSL 法人向けSSL※2
IQサーバー 無料 139円~ Let’s Encrypt
mixhost 無料 480円~ Comodo
wpXクラウド 無料 500円~ Let’s Encrypt
Zenlogic 無料 890円~ ・標準独自SSL
(シマンテックグループ発行)
・Let’s Encrypt
OV/EV
リトルサーバー 920円~ 160円~ Let’s Encrypt
Just-Size.Networks 1,029円 308円~ Let’s Encrypt OV/EV
ミニバード 1,500円 250円~ Let’s Encrypt
ロリポップ! 1,500円~ 100円~ Let’s Encrypt
JETBOY 1,500円~ 817円~ Let’s Encrypt
ファイアバード 2,000円 500円~ Let’s Encrypt OV
エックスサーバー 3,000円 900円~ Let’s Encrypt OV
wpXレンタルサーバー 5,000円 1,000円~ Let’s Encrypt
クローバー 5,000円 1,500円~ Let’s Encrypt OV

※1)各社により「税込」「税抜」の価格表示に違いがあります。
※2)「企業認証(OV)SSL」「EV SSL」など、企業や組織の実在証明書の対応有無を示します。

この記事のポイント

  • 「Let’s Encrypt」は、誰もが独自SSLを使える今までにないサービス。
  • 「Let’s Encrypt」が機能として簡単に設置できるレンタルサーバーが増えている。
  • 「Let’s Encrypt」には一部非対応ブラウザが存在し、ネットショップや法人のWebサイトでは信頼性の証明が不十分な場合もあるので、用途や目的に合った証明書選びが必要。

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